039|新撰組活劇「いつか何処かで〜沖田総司物語」|小説「剣戟」挿絵「一拍の間」「突き構え」沖田総司イラスト

・・・このままでは、土方らが加勢にでる・・・
そう、それが、この芹澤鴨を仕留めるのに確実な方法なのだ。自分は土方、原田が、芹沢を斬れるように芹澤の剣を、この体で受ければいいのだ。その隙に二人が芹澤に 止めをさす。
だが、それはこの男に、この稀代の剣豪にたむけるものではない。芹澤鴨がなぜ鞘を捨てたのか・・・わかっていた。
この男の、武士としての最期の戦いに挑むあらわれなのだ、抜きはなった刀を、再び鞘に収めることはないという。
だから、自分も、もてる力をすべて、技のすべてを出し切って、この男に向かわねばならないのだ。
芹澤鴨の振り下ろされる太刀をかわすように沖田総司は後方に飛んだ。

挿絵「剣術 一拍の間」後方に飛び低く刀を構える沖田総司イラスト

その様子をみていた土方が原田を促した「いくぞっ」
だが、踏み込もうとした土方歳三の足が止まった、そして、原田左之助の飛び出した体を腕で制した。

挿絵「剣術 突き構え」沖田総司イラスト
「なんだ、あの構えはっ」芹澤の剣をかわし、片膝を着いた体勢をおこしながら、沖田総司は、霞の構えの如く刀を水平に構え、切っ先の高さを芹澤の喉元にあわせている。

「いきますよ、芹澤局長」沖田総司の眼が冷たく光った。