新選組血風録1998年 第一話 「幕末最大の決闘!池田屋斬り込み」

新選組血風録1998年、テレビ朝日開局40周年特別企画として制作された「新選組血風録」
俳優陣は、渡哲也(近藤勇)、村上弘明(土方歳三)、中村俊介(沖田総司)

元治元年、祇園祭の四日前

「壬生屯所まで同道しなさい」
土方歳三と沖田総司と共に市中見回りをしていた近藤勇が怪しげな男たちの前に立ちはだかる。
「かねてより攘夷御用金を申しつけてあったのを受け取り退散するところである」
京の豪商鴻池の蔵に押し込み、千両箱を担ぎだす宗十郎頭巾の輩は、近藤勇らに向かって斬り込んでくるが返り討ちにあいすべて斬り殺される。

「斬ってしもうたら詮議でけへん」と言う岡っ引きに、我が愛すべき沖田総司が「手向かったからだっ、見てたでしょっつ」と少年のような口調に思わず顔がほころびましてございまする。
新選組屯所と誠の旗
翌日、昨夜のお礼にと鴻池の番頭が長曽祢虎徹を一振り、堀川助広、井上真改の二振りの刀と角樽そして血で汚れた着物の代金に・・・との名目で金子を持参する。大名道具とも言われる虎徹、そう近藤勇の佩刀と言われる名刀でございます。しかし山南敬介は、近藤勇に「受け取るべきではない」と進言しますが、土方歳三は「新選組の名のためにも受け取るべき」と。そして近藤は受け取ることとします。

日々、市中見廻りに務める新選組にある重大な情報が入ります。「倒幕浪士達が何か大きな行動をおこす」との。その鍵を握るのが道具屋桝屋喜右衛門と聞き、土方歳三は沖田総司と共に店を張り込みます。子供達が「かぁ〜ごめ かぁ〜ごめ・・・」と遊ぶ姿に沖田総司は、心を和ませるのですが、「新選組の名を高めることとなるかもしれん」土方歳三のその言葉に我に返ります。その言葉の通りの倒幕浪士たちの計画が発覚するのです。拷問の末、桝屋こと古高俊太郎が白状した計画は「京の都に火を放つ」。

中村俊介〜沖田総司イラスト 近藤勇は、会津藩公用方・外島機兵衛の元に新選組が動く許可を得に出向きます。その帰りに近藤は、お清という幸うすげな女と出会います。
祇園祭の宵山、まだ倒幕浪士たちの結集する宿が特定できず時が迫りますが、監察方の山崎烝が「池田屋」と目をつけます。 命を懸けた取り締まり・・・若い隊士たちの中にも動揺が広がり、その不安から奥沢栄助は懇ろになった女お光のもとに走ります。女で恐怖をはらおうとする男、そして体を案じて屯所に留まるようにと言う土方に「生き腐れはいやです。」と拒む沖田総司。
そんな沖田を気づかい労咳に良しとされていた「高麗人参」を買いに行った近藤は、その帰りに再びお清と出会います。妹お孝と楽しげに祭見物するお清、「お守り、お買いになりましたか」と薬袋を手にした近藤に病の方のために・・・と気遣って御守りを渡すのです・・・目の前にいる男が壬生狼と忌み嫌われている新選組の局長とも知らずに。
近藤の心の籠った薬を藤堂平助を介して沖田は受け取り、添えられていた御守りを握りしめ、薬を数服、一度に湯に溶かしそして一気に飲み干します。

その頃、池田屋に桂小五郎が足を運びますが、まだ誰も集まっていないとのことで一旦引き返します。
女の元を離れ、奥沢は皆が待機する祇園町会所に戻りますが、律儀にも同組の安藤と新田が土方に奥沢がまだ戻ってこないと報告し、責められているのを目にします。
「すべては、自分の責任と」懇願する奥沢ですが、「三名一組で動き、出動まで外出禁止」との命令違反を犯したとの判断で土方歳三は奥沢栄助に「死罪」、そして連帯責任として安藤早太郎、新田革左衛門に「切腹」を言い渡します。
その様を見ていた近藤は土方に「三人は自分が預かる」、そして「黙っていればバレないものを、馬鹿め」と正直すぎた若い隊士三人を窘めるのです。

旅籠『池田屋』では、浪士達が集まりはじめ、池田屋の主の信用を受けた山崎烝が浪士達の刀を別の部屋に移し、木戸の心張り棒を外したりと新選組が踏込む時のための根回しをするのです
。座敷では、宮部鼎蔵を上座に吉田稔麻呂ら倒幕志士たちが集い、酒を飲みながら血気盛んに策を練るのです。酒に酔ったのか自らの策に酔ったともわからない熱気に彼らは包み込まれるのです。山崎の不審な動きに気づくこともなく。

祇園会所では、五ツに出動することになっていた会津の到着もなく、無駄に時だけが迫る・・・新選組だけで「丹虎」、「池田屋」に出動する決断を下した近藤は沖田、永倉、原田、藤堂、井上そして安藤らを従え池田屋に向かい、土方は残りの隊士を引き連れて丹虎へと。

祇園囃子の中を威風堂々と近藤勇は目指す池田屋に進む。その姿を恐る恐る覗きみる人々。

池田屋にまず隊士二人が入り左右に分かれる、そして、その間を近藤が入る。
「会津藩御預かり新選組である、御用の筋があって改める」近藤の言葉に池田屋の主は、二階で集う志士たちに知らせようと叫ぶ「御用改めでございますっつ」
その口を塞ぎながら隊士二人が主を押さえ込み、そして近藤が羽織を脱ぐのを合図とし、背後に控えていた沖田総司が半身に引き身構える。
階下での物音に浪士が一人姿を現す「新選組じゃっつ」そう叫ぶ男を、階段を駆け上った近藤が鳩尾を刺し、真っ向に斬り落とす、そして男は池田屋の階段を転げ落ちる・・・世に名高い『池田屋の階段落ち』の場面でございまする・・・これを御やりくださった方に万感の拍手を・・・
近藤のあとに続き二階に駆け上がる沖田総司ら、新選組の奇襲を受け騒然となる志士たち、宮部は同士たちに叫ぶ「死ぬなっつ」「若い奴らを逃がしてやってくれ」っと。宮部と対峙する近藤。
そして向かってくる志士たちを斬り、そしてまた斬る沖田・・・だが、その時、突然激しく咳き込み・・・血を吐く沖田。患っていた労咳が倒幕志士たちと共に沖田総司を襲うのです。仰け反り口を押さえ、吐血に苦しむ沖田・・・それでも必死に志士達を斬る総司。

丹虎に志士らがいないと判断した土方は、池田屋に向かいます。形勢不利となり、新選組に取り囲まれた宮部鼎蔵は「よるなっつ」と武士の誇りを見せつけるかのように自ら喉をかっ切り自決します。
志士たちとの死闘の中、奥沢は命を落とし、安藤と新田も深手を負うのです。遅れて到着してきた会津藩、「遅れてしまい」と弁明する外島に向かって「今頃のこのこ来やがってっつ」と思わず叫ぶ沖田。そんな沖田を土方は「だまってろ」とばかりに睨みつけます。
そして、新選組の誉れを京の町の人々に知らしめるため明け方、堂々と列を組んで屯所へ帰路につくのです。
新選組への労いとして会津が島原で宴を用意します。
その席で近藤は、お清と出会うのです。美雪太夫として舞を披露するお清。池田屋から逃げた浪士たちとの斬り合いに巻き込まれ、妹お孝との生活を壊され、その借金のため妹も郭で下働きをしている・・・と。それを聞いた近藤は、責任を感じて妹のお孝を引き取り、自分の休息処で面倒をみることとします。

雨の中、近藤の後を歩くお孝、下駄の鼻緒が切れ、近藤が自分の草履差し出し鼻緒を直してやる・・・が、その間お孝は姉との生活を壊された恨み言を吐きます。がその時、近藤が不穏な気配に気づくのです。真っ先にお孝を逃がしてやります。そして姿を現した四人の浪士が近藤に斬りかかる・・・
まず、前の敵を腹を刺し、後方の敵を振り向き様に袈裟に斬り落とし、三人目の敵の胴を抜く、四人目も袈裟に斬り、そしてもう一度斬り掛かってきた三人目の敵をもう一度袈裟に・・・この三人目の浪士こそ誰あろうっつ!我が敬愛してやまぬ時代劇の重鎮『福本清三先生』でございますっつ!!!このギムレット『福本清三先生から直接サインを頂戴した先生の自伝を綴られた御本を生涯の宝としております』近藤勇の刃を二太刀受けての御見事な海老反りでございましたっつ!!!・・・
そして、お孝は自分を守ってくれた近藤の優しさを知り、心を開き近藤の世話になることを決意します。

近藤は、師であり養父である近藤周斎宛に池田屋での新選組の活躍を手紙に綴ります。

「・・・局中僅かに三十人・・・二手に分かれ、一カ所は土方歳三を頭に致候処、拙者僅かの人数を引き連れ・・・一時余之間戦闘に及申候処・・・拙者の刀は虎徹故に候哉無事に御座候・・・今度之敵多勢・・・何れも万夫之勇者、誠に近急之場合を助り申候・・・」

近藤勇の手紙の語りが終わり、そしてエンディング「さよなら」の曲が流れます。
■新選組血風録エンディング曲 さよなら 松山千春■

新選組血風録 第一話「幕末最大の決闘!池田屋斬り込み」キャスト>

近藤勇(渡 哲也) 土方歳三(村上弘明) 沖田総司(中村俊介)
山南敬介(三浦洋一) 永倉新八(堤大二郎) 山崎烝(大杉 漣) 原田左之助(小西博之)
井上源三郎(樋浦 勉) 美雪太夫お清(天海祐希) お孝(酒井美紀) 外島機兵衛(若林 豪)
奥沢栄助(草野康太) お光(初瀬かおる)
桂小五郎(勝野洋) 宮部鼎蔵(萩原流行) 古高俊太郎(伊吹剛)